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舌の矯正で“健康な生活”を手に入れよう!

近年「舌と健康」についての書籍やテレビでの特集などを目にする機会が多くなっています。“舌”というテーマに基づき数多くの情報が発信されていますが、そのほとんどは舌の筋力の衰えを改善するためのトレーニング方法といった、舌の運動機能の回復を指南するものです。何故、これほどまでに舌の運動機能の衰えをテーマにした特集が組まれるのでしょうか。それは、舌が咀嚼や呼吸といった生命維持に必須の機能において、非常に重要な役割を果たしているためです。生命維持において重要な役割を担っているということは、その機能が低下してしまうと、健康に大きな影響を与えてしまう可能性が出てしまうということです。逆に言えば、舌の機能を正常な状態に戻すことが出来れば、それは健康上非常に大きなメリットをもたらしてくれるのです。

低位舌ってなに?

低位舌の図説

舌の機能低下として一般的に注目されているのは“低位舌”と呼ばれるものです。これは、舌が正常よりも低い位置にある状態のことを言います。上の図をご覧になって頂ければより具体的にその状態がわかると思います。通常であれば口を閉じている状態で舌は口の中の上側(口蓋)にくっついており、舌先は前歯の付け根あたりにある「スポット」と言われる箇所に収まっています(左図)。それが低位舌の状態だと、舌は口蓋にくっついておらず、舌先も前歯の裏側、もしくはどこにも当たっていないという状態になります(右図)。

この低位舌、一般の方からすれば、舌の位置が低いくらいで何が問題なのか?と思われるかもしれませんが、実はかなり身体にとって悪い影響を与えるのです。舌の位置が低くなると、まずは気道が狭くなります。そうすると、いびきをかきやすくなったり睡眠時無呼吸症候群になりやすくなってしまいます。また、気道が狭くなるということは空気の吸入量も少なくなってしまうため、息苦しさを感じるようになったり、口呼吸をするようになってしまいます。口呼吸はドライマウスや歯周病、口臭の原因になることがあります。さらには、舌の筋力低下によって咀嚼や嚥下といった機能も低下するため、本来食事によって得られる身体的・精神的な満足度も下がってしまいます。低位舌であることは、百害あって一利なしといっても過言ではないと考えています。

あなたも低位舌かも?セルフチェック

以下のセルフチェック項目に3個以上当てはまっている人は低位舌の可能性があります。

  • 顔が歪んだりたるんできた気がする(例:目の高さが違う、肩や首が傾いてる)
  • 口が乾きやすい(ドライマウス)
  • いびきをかきやすい(もしくは睡眠時無呼吸症候群を指摘されたことがある)
  • 発音や滑舌が悪くなった気がする
  • 歩いていてつまづきやすくなった
  • 食べこぼしが増えた
  • 歯ぎしり・食いしばりを感じるようになった
  • 呼吸が浅いと感じることがある

低位舌の原因=舌骨の位置の低下

舌骨

舌骨まわりの筋肉群

それではこの低位舌の原因はなんでしょう。一般的には「舌の筋力の低下」だと説明されますが、実は「舌骨」と呼ばれるものが深く関わっています。舌骨は舌の根元に、他の骨とは独立して存在し、舌を支えています(左図)。舌骨の上には舌骨上筋群、下には舌骨下筋群という筋肉群があり舌骨を挟んでいます(右図)。この筋肉群が前や後ろに舌骨を引っ張り合うことによって私達の口は開閉が可能になるのですが、舌骨下筋群が舌骨を下に引っ張り下げてしまうことによって、それと連動するように舌の位置が下がってしまうのです。

歯科で指導されるMFT(口腔筋機能療法)のような、低位舌解消のために舌を上げるトレーニングがなかなか上手くいかない原因はここにあります。どんなに頑張って舌を上げるトレーニングをしても、舌を支えている舌骨が下に引っ張られて下がってしまっているのですから、思うような改善が見られないのも当然のことなのです。

ここで「舌骨が下がる」ということをより具体的に理解していただくために、下記の比較画像をご覧ください。

舌骨が下がってしまっているレントゲン写真

左のレントゲン写真と比べて右の写真では舌骨の位置がだいぶ下がってしまっていることがわかると思います。このような状態では、どんなに舌を持ち上げるトレーニングを頑張ったとしても成功しない可能性が高いと思われます。このように舌骨が下がってしまっている方に必要なのは、舌を上に持ち上げるトレーニングではなく、舌骨自体の低下を解消することなのです。

舌骨の位置をコントロールするための装置「SPP」と「SLP」

この低位舌を引き起こす舌骨の位置の低下を改善するために開発されたのが「SPP」と「SLP」と呼ばれる装置です。

SPP

SPP 300,000円(税抜)
(上顎に装着)

SLP

SLP 250,000円(税抜)
(下顎に装着)

こちらの装置は日本歯科大学名誉教授:丸茂義二先生が考案したもので、口腔内に装着することによって、舌骨の位置を上げるとともに舌の位置を上げ、副次的に舌の筋力アップをすることが出来ます。舌の筋力をアップする方法は沢山紹介されていますが、原因である舌骨の位置の改善をするという点において、他の方法とは大きく異なるものです。

また、装着をすることで改善に繋がる効果を得られるため、毎日何分間やりましょうという継続的なトレーニングの必要性はありません。24時間装着を実現したことで無意識な予防対策が可能となっています。

それぞれ、口腔内の下と上に装着する装置で、その効果は少々異なります。

SPP

口蓋の高さ、左右差を埋めることによって舌が口蓋を覆いながら前方に吸い付く働きを持たせる。舌の吸啜(きゅうてつ)効果を上げて、舌の位置を正常に戻す装置。

SPP装着前の口蓋

SPP装着後の口蓋

こちらは上顎の模型です。口の中の上側=口蓋の形状をそのまま型どったものです。(左図)。こちらを観察して頂くとわかることですが左右の傾斜に違いがあったり、所々凹んでいたり出っ張っていたりする箇所があります。口蓋がこうした形状で舌骨の低下によって舌の位置が下がってしまっていると、舌が口蓋にぴったりとくっつくことは難しいです。そこでSPPを装着することによって(右図)、左右差や歪な形状を解消し、舌が口蓋にくっついた状態を作り出すことが出来ます。

SLP

舌を根元から支えることで舌の沈下・後退を防ぎ、舌の位置を正常に戻す装置。下図は上にSPPを、下にSLPを装着した際のイメージ図です。下からの支えがあることで、開口時にも舌の位置が維持され、閉口時には両方の装置による舌位置の安定性と期待される効果の増加を得ることが出来ます。

SLPについてより詳しくはこちらの「SLP(サブリンガルプレート)について」のページをご覧になって下さい。

SPP装着前の口蓋

舌骨の位置をコントロールすることによって期待される効果

舌骨の位置を正常にして低位舌を改善することによって得られる効果は様々なものがあります。

食いしばりや歯ぎしり、無呼吸症候群を減弱できる効果

顔周辺の強張り、肩凝り首凝りや緊張性の頭痛を軽減する効果

咽頭腔の広がりにより酸素の取り込みが増す事で、睡眠の質が向上する効果

舌骨の位置が変わる事で胸郭が広がり呼吸が楽になる効果

唾液の分泌を促進することにより虫歯リスクの軽減、ドライマウス防止に繋がる効果

舌が自然と口蓋を塞ぐ事で鼻呼吸につながり、免疫力が増す効果

舌位が変わり足指に力が入ることで、体の重心、体幹、姿勢改善に繋がる効果

咀嚼回数が増えることにより満腹中枢を刺激し、過食を減らす効果(過食によるダイエットコントロール)

横隔膜が連動する事で血流の還流や代謝異常を防ぐ効果

肛門括約筋の緊張により便漏れ防止効果

※装置の効果には個人差があり、必ずしもお約束出来るものではありません。

睡眠時無呼吸症候群の治療法について

SPPとSLPを装着することによって睡眠時無呼吸症候群の改善が期待されることは既にお伝えしましたが、睡眠時無呼吸症候群には既に有名な治療法がいくつかあります。こちらのページをご覧になられた方の中には、SPPとSLPがそれらの治療法と比較した場合にどのように異なるのかが気になる方もいらっしゃると思いますので、その点について当院の見解をお伝えさせて頂ければと思います。

CPAP

CPAP

睡眠時無呼吸症候群の治療法として現在一番知名度があるのがCPAPです。鼻に装着したマスクから空気を送り込み、ある一定の圧力をかけて気道を広げておくことによって睡眠中の無呼吸を防ぐことが出来る治療法です。治療効果はとても高く、治療方法としてご検討されている方も沢山いらっしゃると思います。

CPAPのデメリットとしては、装着の不快感、持ち運びが不便なこと、ランニングコストがかかるなどがよく挙げられますが、噛み合わせ治療を得意とする歯科医としては、半永久的に装置の装着を継続することによってもたらされる骨への影響を危惧しております。骨というのは一見頑丈な固体のように思われがちですが、実のところ「硬い液体」とも言うべき性質を持っています。骨は、ある一定の弱い力を長期間に渡ってかけ続けると緩やかに変形していくのです。この骨の性質を利用したのが「矯正歯科治療」です。

CPAPは、睡眠時無呼吸症候群の原因が解消されない限りは半永久的に装着をし続けなければいけません。睡眠中だけとは言え、それだけの長い期間器具の装着による圧力が顔周辺にかかり続ければ、なんらかの変形が起こる可能性は否定できません。

その点、SPPとSLPは、睡眠時無呼吸症候群の大元の原因たりうる舌骨の位置を動かしこそすれ、それ以外の歯や他の骨へ圧力をかけるということはないため、安心して使用を続けることが出来ます。

マウスピースによる治療

マウスピース

歯科における睡眠時無呼吸症候群の治療として知られているのが、「スリープスプリント」と呼ばれるマウスピースを装着する方法です。下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。CPAPと比べて装着の不快感もなく、持ち運びも簡単で気軽に始められるということで、治療法として選択される方もいらっしゃいます。

CPAPにあったデメリットを解消しているように見えますが、やはりマウスピースによる治療も問題点を抱えています。CPAPで最後に言及させて頂いた点とほぼ一緒なのですが、下あごを上あごよりも前に出した状態で固定させるということは、使用を続けるうちに上下の噛み合わせの高さが変わってしまうという可能性があります。こうしたマウスピースの着用によって顎関節症を発症してしまうという報告も上がっているため、CPAPに比べて気軽に始められると言っても、やはり治療の選択は慎重になさることをオススメいたします。

当院の低位舌の検査に使用する機器の紹介

パルスオキシメーター

装置装着前後の血中酸素濃度の測定を行い、酸素の取り込み量変化を記録します。呼吸器内科で血中酸素濃度を1%上げるのはかなりの改善と言われていますが、装置装着後1~7%上げることが出来ています。

※装置の効果には個人差があり、必ずしもお約束出来るものではありません。

舌圧測定器

装置装着前後の舌の最大圧力を測定し、舌機能の変化を記録します。

肺活量計

装置装着前後の肺活量を測定し、呼吸量の変化を記録します。

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オーク銀座歯科クリニック顎関節症&噛み合わせ治療情報

院長 難波 郁雄
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〒104-0061
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